家畜伝染病予防法
動物を輸入する場合、輸入前の所定の期間内に動物検疫所長に輸入届を提出し、更に輸入の2日前までに輸入検査申請書を提出するか、又はANIPASを利用して検査の申請をします。
輸入が禁止されているもの
日本に深刻な影響を及ぼす伝染病(監視伝染病と言います)のうちでも特に悪性の強い、「牛疫」「口蹄疫」「アフリカ豚コレラ」の3疾病については、輸入禁止区域と輸入禁止品目のそれぞれを定めることで予防しています。
現在では、①牛海綿状脳症(BSE)発生国からの牛・羊・やぎ由来、②鳥インフルエンザ発生国・地域からの家きん由来(指定検疫物に該当しない鳥類を含む)、③豚コレラ発生国・地域からの豚由来、④慢性消耗性疾患(CWD)発生国からのシカ由来の肉製品等が全面的に輸入停止となっています。
指定検査物(輸入検査対象品目)
特に家畜の伝染性疾病の病原体を広げる恐れの高いものを「指定検疫物」と称しています。
主な指定検疫物は、以下のものとなっています。
1.次に掲げる動物及びその死体
①偶蹄類の動物及び馬
②鶏、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥及び七面鳥並びにあひる、がちょうその他のかも目の鳥類(以下「かも類」)
※上記のうち、初生ひなであって、農林水産大臣の定める要件に該当し、かつ家畜防疫官の指示に従いその輸入に係る港又は飛行場の区域外に移動しないでそのまま輸出されるものを除きます。
③犬
④うさぎ
⑤みつばち(蜂蜜を巣状態のまま製品化したものやプロポリスの原塊なども含む)
※③~⑤のうち、農林水産大臣の定める要件に該当し、かつ家畜防疫官の指示に従いその輸入に係る港又は飛行場の区域外に移動しないでそのまま輸出されるものを除きます。
2.上記1-②の卵
3.上記1の骨、肉、脂肪、血液、皮、毛、羽、角、蹄、腱、臓器及びこれらを粉末状に加工したもの
4.上記1の生乳、精液、受精卵、未受精卵、ふん及び尿
5.上記3を原料としたソーセージ、ハム及びベーコン
6.悪性の家畜伝染病の発生地域からの穀物のわら・飼料用の乾草
7.本来輸入禁止だが、大臣許可を受けて輸入するもの
これらの指定検疫物を輸入する場合、まずは輸入届を提出することになります。
この輸入の届出は、特に下記の動物であれば、所定の期間に提出しなければなりません。
①偶蹄類、馬:到着予定日の120~90日前
②家きん鶏等:到着予定日の70~40日前
③犬:到着予定日の40日前
そして、輸入の2日前までに検査申請書及び家畜衛生条件に従って輸出国政府機関が発行した検査証明書を動物検疫所に提出し、検査を行います。
係留検査の結果、問題がなければ輸入検疫証明書が発行されますので、通関書類を添えて税関に提出します。
係留期間は以下の通りです。
・偶蹄類:15日・馬、家きん鶏等:10日
・初生ひな:14日
・その他:1日
なお、検査の結果問題が見つかった場合、係留の延期や殺処分、返送等の措置が下されます。
げっ歯類の輸入について
ハムスター、モルモット、リス、チンチラ等のげっ歯類については、非常に危険な感染症を数多く保有している場合があるため、輸入の条件が厳しくなっています(例:輸出国政府が指定した保管施設で出生以後保管されてないとダメ等)。
そのため、これまでペットショップで売られていた場合や自宅で飼われていた場合などは、基本的に輸入が不可能となります。
また、げっ歯類の死体を輸入する場合にも届出が必要になります。